『KANN』meets 桐島ローランド

──桐島さんは、どんな時に音楽を聴くことが多いのですか?

寝る前とかリラックスしたい時とか、オンオフを切り替えたい時に「しっかり」聴くことが多いですね。撮影や写真データのレタッチなどの作業中に「ながら」でBGM的に聴くことはありません。音楽の世界に入るために聴くということもあるので、聴くなら「いい音で」とずっと思っていますよ。

──『AK320』のユーザーとのことですが、手に入れるきっかけはどのようなものだったのですか?

昔から、その時々で評判がいいハイエンドヘッドフォンを使うようにしていたし、MP3データも、極力ロスが少ないものを用意してできるだけ「いい音」を楽しんでいました。そんなある日、友人にハイレゾを聴かせてもらったのですが、驚きましたね。これまで自分が聴いてきた音源とハイレゾは「まったく違う」ものだったんです。ハイレゾ化される際に、リマスターされている影響も大きいと思うのですが、ハイレゾだとこれまで認識できていなかった音や、プレーヤーの息遣いなんかもわかる。後日、すぐに『AK320』を手に入れました。それからは、他のモデルに浮気することなく、『AK320』ひと筋で楽しんでいます。

──桐島さんは、どんな楽曲が好きなのですか?

僕はロックが好きですね。イーグルスをはじめとしたクラシカルなロックはもちろん、1990年代、2000年代のものが特に好きです。『AK320』を手に入れたばかりの頃は、楽しくていろんな曲をダウンロードしていたのですが、当時は、1990年代、2000年代のロックの音源はまだ少なくて、試しにボブ・マーリーの『Legend』を買ってみたんですよ。それまで僕は、レゲエを聴くことはほとんどなかったんですけど、ハイレゾで聴いてみることで、その音楽の緻密さと豊かさを感じて、ハマって何度も繰り返して聴いていました。ハイレゾに出会ったことで、いい音で聴くことの大切さ、音質の重要性に改めて気づきましたね。

──普段は『AK320』を使っていらっしゃいますが、最新の『AK70 MKII』はいかがですか?

『AK70 MKII』はエントリーモデルなんですね、でも、すごく音質がいいですね。価格も手ごろだし、屋外や移動時でも気軽に使えるのもいい。軽く持ちやすいこともあり、最初の1台や女性にも最適なのではないでしょうか。ロックを聴くのなら、『AK320』よりも、どこでも手軽に楽しめる『AK70 MKII』のほうが相性はいいかもしれません。

──『KANN』はいかがですか?

『Legend』で聴き比べてみましたが、『KANN』の音は、僕が普段使っている『AK320』に近いように思います。とてもいいですね。『AK320』がひと世代前のモデルだとはいえ、『KANN』の価格はその半額ほど。『AK320』のユーザーとしては……ちょっと複雑な気分ですね。この価格で『AK320』と変わらない音が楽しめるなんて(笑)。

──『A&ultima SP1000』はどうでしょう?

すごい。演者の息遣いまでわかる。ハイレゾを聴き始めた時と同じくらい驚いてしまいました。本当にすごい。『A&ultima SP1000』は、高域から低域、すべての音が精密に再現されるのでクラシックに最適なのではないでしょうか。

ジャニーヌ・ヤンセンが演奏したビバルディ「四季」を聴いてみたのですが、この曲には本当にいろんな音が入っているんですね。この曲はハイレゾで何度も聴いているのですが、『A&ultima SP1000』で聴くと新たな発見がある。これ、すごいことですよね。ただ、ロックもレゲエも聴くし、僕的には、『KANN』のほうが相性はいいですね。

──『A&ultima SP1000』のほうが、さらにいい音なんですよね?

僕もそう思います。非常にいい音ですよね。『A&ultima SP1000』は高性能で50万円近くもする超高級なモデルです。僕はいつもハイレゾプレーヤーを持ち歩いているのですが、常に携帯していると、どんなに大切に扱っていたとしても、何かの拍子に壊れてしまう可能性があります。ガジェットが大好きで、少しでも気になるものがあったら、積極的に手に入れてがんがん使っている僕ですが、高額なものが壊れてしまうとやっぱり精神的なダメージは大きくて……。『A&ultima SP1000』は、スポーツカーのような存在ではないでしょうか。もちろんいいと思うし、欲しいけど、あくまでもあこがれの対象という感じです。

一方、『KANN』はSUVのような存在だと思います。どんな場所でも走れるし、生活の足にもなってくれる。僕には「自由さ」も大切なことなんです。充分満足できる音質でありながら、価格も13万円ほどで、比較的手に入れやすい。いつでもどこでも、余計な心配をせずに良質なハイレゾ音源を楽しめる『KANN』のほうが僕のスタイルに合っています。

インタヴュー・文/安井克至 撮影:木村真一

(プロフィール)
桐島ローランド
ファッションモデルやパリ・ダカール・ラリーの二輪部門にエントリーし完走するなど異色の経歴を持つマルチクリエイター・フォトグラファー。日本初のフォトグラメトリースタジオである株式会社AVATTAを設立。3Dエヴァンジェリストでもある。

AVATTA
https://avatta.net/

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